「北方文化博物館」で語り継ぎたくなる新潟の文化を体感

戦後の私立博物館第1号として誕生した「北方文化博物館」。1882（明治15）年より建築された、豪農・伊藤家の旧邸宅を保存・公開しています。8,800坪の広大な敷地に建つ美しさと豪壮さを兼ね備えた館は、約8年かけて築かれました。職人技の光る造りや部材の見どころも多く、建築そのものが展示品だといわれています。日本を中心に中国・韓国の美術品など資料総数は約6,000点あり、一部を展示しています。季節やテーマごとに企画展も行っています。

提供：北方文化博物館

シンボルは敷地中央にある藤の大木。樹齢150年、80畳の大藤棚の開花が始まるのは5月初旬です。甘い香りを放ち、淡い紫色の花房がシャワーのように垂れ下がる様子は圧巻。朝はすがすがしく、夜のライトアップ時は妖艶な表情を見せてくれます。ベンチに腰かけて眺めるのはもちろん、咲き初めは、母屋2階からの紫が広がる景色もお勧めです。

提供：北方文化博物館

約100畳に広がる書院造の大広間棟は一見の価値あり。大切な客人を迎えるための格式ある空間として、家訓をはじめ伊藤家に縁のある書画が当時のまま掲げられています。柱が少ないため庭園の景色をさえぎらず、開放感があります。その美しい眺めに時間を忘れて観賞する人も。秋になれば紅葉の朱や黄に松の緑が重なり、美しいコントラストが楽しめます。